父が二人の息子にお願いをした。兄はやりますと言ったがしなった。弟は嫌ですっといったが悪かったと思い、父の願いを行なった。イエスのたとえである。兄には失望させられる

▼若い時に、心通わせた友人が困っているのを知ったので、手紙を書いた。なしのつぶては心痛む。また高校、大学で机を並べた友人に一年以上かけて何通かの手紙を書いた。「もう一度若い時の友情をとりもどしたい」と。これも暖簾に腕押し

▼「うちわびく呼ばわん声に山彦の こたえぬ山はあらじとを思う」(詠み人知らず)

▼すべての山が私の叫びに応えてくれるのものではない。笛吹けど踊らず、と嘆くは易しい。失望するのも易しい。するとソロモンは「あなたのパンを水の上に投げよ。ずっと後の日になって、あなたはそれを見いだそう」(コヘレト:11)。無駄だ、私の不信仰は言う。

▼「そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、私の望むことを成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる」(イザヤ55:11)。伝道者はあきらめないで笛を吹く以外にない。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。