ニージーランドで23才の時ルールもわからず初めてラグビーボールをもたされて開始の笛の音と同時に走った記憶が戻ってきた。日本ラグビーが優勝候補南アフリカに勝った。心地よい興奮が日本中を駆け巡った。ヘッドコーチのエディ・ジョーンズ氏のことば「ジャパンウエイとハードワーク」による快挙だ。ジャパンウエイは、日本人独特の特徴を生かした戦い方法だ。もちろんハードワークもしかり▼この両輪でもって日本人はこの70年の間、戦後の焼け跡から、空腹から、精神的渇きから立ち上がってきた。この成果に今頃世界は目を凝らし始めている。来年日、米、英、仏、独、伊、加、七ヶ国の首脳主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、4年後ラグビーWC開催、5年後東京オリンピックとつづく▼200余国ある世界の中で、一つの民族が一つの国語を話し和する国、海に囲まれた垣根で守られている一億数千万人住む国。世界の混沌を救うためにまず自らが立ち上がろうよと肉弾戦で示した日本ラグビーだった。大和民族のもつジャパンウエイが勝利を生む原点だと教えてくれた▼日本の魂を救うのは、外国からの神学、宣教論、西洋のタックルではなく、ひざ下を狙う身を低くしたタックルだ。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。