中学三年生同窓会で喜寿が集まった。総勢六百数十名中参加したのが六十九名。故と名前の前にしるされていたのが二割だったが、音信不通が数百名を数えているのを考慮して一人が述懐した。三割は亡くなっている、と。次回は「傘」をかぶり「傘寿」に集まろう、三年後は何人かな?この切実な呼びかけのあと校歌斉唱はカラ元気ではなかった▼日本の平均寿命は二十五年前、女81.90歳、男75.92歳。二〇一五年は女86.99歳、男80.75歳と伸びたが世界で(厚生労働省調査)女性は二位、男性は四位だ。昨年にくらべて位が一つ落ちた。とはいえ長生きの部類に入る▼知の巨人と言われていた渡部昇一氏が四月十七日亡くなった。かつて左翼・リベラル陣営がメディアを支配していた時代、ここにはとても書けないような罵詈(ばり)雑言を浴びた。渡部さんは、反論の価値がないと判断すれば平然と受け流し、その価値あると判断すれば堂々と論陣を張った、と産経は惜しむ記事を書いた。八十六歳まで意気盛んな人となって長寿を全うできた人は幸いだ。十五歳でよく遊んだ友の一人が隣の席で「ボケだけはごめんだね」に周りが首を立てに振った。人生の終わり良ければすべて良しをめざしてゴーといきたい。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。