車検が近づいてきたので、このまま乗り続けるか、新車に乗り換えるか、はたまた中古車でグレードアップしようか。今年七十九歳を迎えること、田舎暮らしで車ナシなら都会生活に戻るしかないこと、私の仕事と自認している活動を続けるためにも車は必要なこと、それに車の特性(安全装置AI付き燃費節約等)を考慮し天秤にかけた。

▼家内に相談、車は必要との結論。毎年利子五万円(年金一ヶ月分)は、車が必要なら先送りしていつまでも消えないのはどうしても痛い。どこかからローン代が出ないか頭をひねった。百五十万円の入金当てがあったので先日購入契約をした。約束をしてくれたその人は言った。「定期預金に入れたので解約できない。」一週間前には「いいよ。立て替えてあげるよ。」だったのに。

▼その金額は、今年九十二歳で亡くなった姉のもので、私に残してくれていた金額である。兄が管理していて手元に入るまで一時立て替えると約束してくれていた。肉親の親切にも、限界があることを知った寒い年末年始である。

▼私のからだ家内のからだにも車検ならず体検の時期だ。朝ぼらけ、宵の明星薄光搔き消えて、間もなく太陽に覆われることを期待しつつ新年の幸を祈る。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。