天皇即位には大嘗祭がとりおこなわれる。天孫降臨神話、高天原(天上界)において、アマテラスとタカミムスヒがニニギに向かって、「天から降りて葦原中国(日本列島)を治めなさい」と命じた。その際タカミムスヒは、「真床追衾(まとこふすま)」と呼ばれる「布」「かけぶとん」にニニギを包んで、地上へ降臨させた。大嘗祭の時の「御衾」は、この真床追衾を表すものとみられている。タカミムスヒに真床追衾を着せられたこのニニギの子孫が、天皇家である

▼日本国体は、初代神武天皇以来2679年父系の血を継いできた。神道家の解釈ではタカミムスヒは神の御子、天地を造られた創造に関与した神としている。今年126代天皇まで父方の系統を持つ男系で維持されてきた。その初代神武天皇の父系はニニギに到るが、初代以前は天上界に属するという

▼聖書は、いのちは血にあるという。血は水より濃いと人も言う。その濃いという意は、天国をめざす地上界での生き方を聖書が教えているからに他ならない。地上での生活で、隣人を愛せよ、働かざる者食うべからず、今日を生きよという神の教えは命の源である血を深く意識することに繋がるのではないだろうか。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。