21世紀に入ってアメリカ映画ラストサムライが製作された。その100年前、1899年新渡戸稲造が英語で「武士道」を書いた。そのわずか50年前、アメリカがペリー率いる黒船でドアがこじ開けられたのだが内村鑑三、新渡戸稲造の明治の世は日本新生ともいうべき世界への幕開けとなった。そして今120年後、「武士道」が100万部のベストセラーである。

▼侍が自らの地位を捨てた新しい日本の門出の息吹の風は他の国には吹かなかった。武士道の風は自他ともに潤す高潔な精神風である。既得権益を国民のため国ために捨てたサムライが21世紀5分の1を経て、多くの日本人に風を送る。いや世界の眼は日本に吹く風を見ようとしている。昨年3000万人以上の外国人が日本を訪れ、東京オリンピック年は4000万を超えるという。2011年は622万人であったが、この10年弱で6倍になった。

▼日本は地の果てとも言われる島国であるにかかわらず、2年前、各国からの外国人訪問者数12位が、今年6位となる。日本人の令和時代が世界を照らす偉大な国と世界の口に上り始めていると見るのは早計か。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。