恐ろしい病気があるものだ。昨年五月入院していた一歳の娘に治療に不必要な薬物を投与した母がいた。この母は子供を病気にさせ、自分に注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)」という病気だという。自分が周囲の関心を引くために子どもなど身近な存在に危害を加え入院させるなどの行為を特徴とする。児童虐待の一種で「医療乱用虐待」とも呼ぶ。この症候群になる人たちは病人で病歴を捏造(ねつぞう)して、なんとかして病人でいようとする人たちである

▼七〇年ほど前、英国の医師がある困った患者に気づいた。医師は、戦争や旅行で経験したと称して大ぼらを吹く男爵にちなんでミュンヒハウゼン症候群と名付けたという

▼二〇〇〇年前にその病気に気づいた人がいた。キリスト・イエスである

三十八年もの間、病気にかかっている人がいた。イエスは彼が伏せっているのを見、それがもう長い間のことなのを知って、彼に言われた。「よくなりたいか」。あえての質問は自分がどんなところにいるのかを気づかせてくれる。本当のところはなおりたくない人が多いのは、これはもっとひどい病気で、悪魔の掌中にいることになる。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。