昨年末、三十代の女性が東大卒の夫との間に第一子をもうけた。出産後、夫に遺伝子の難病が判明。二人目を望んだ女性はSNSで「精子提供者」を募った。条件は夫と同程度の学歴、独身、日本人で応募者五人から京大卒を選んだ。ホテルで肉体関係を十回もった。子は生まれた。しかし男性は嘘をついていた。大学も違い中国人だった。そこでこの母となった女性はこの男性に3億2000万円の損害賠償を東京地裁に提訴した
▼箴言には、人の心には多くの計画がある。しかし主のはかりごとだけが成る、とある。ある新聞の論説員が「この女性の考え方や行動を批判する資格が自分にあるとは思えない」と書いた。動物界で見られる弱肉強食、人間界に見られる能力主義は、人の目にはまっすぐに見える道かもしれない。貧しい者は隣人にも憎まれる。富む者を愛する人は多い
▼私はこの女性の話を聞いた時耳を疑った。耳を塞ぎたくなった。新聞の論説員が批判する資格もないとする偽りの謙遜も読みたくもない。話してくれた知人も呆れ果て、妻も絶句、こんな女性が日本人にいること自体恥である。
著者紹介
- 聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。
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