自分の過去に行っていないのにもかかわらず事実として「覚えている」ということがある。それを心理学では「記憶の変容」というらしい。経験しなかったことを記憶しているとのこと

▼T氏の文章を読んでビックリした。彼は若いころある決断をした際、自らの意志ですべてを投げ打ってその世界に飛び込んだと書いていた。彼が事業を起こしたのではなく、実は他の人が開拓していた

▼T氏は開始時には指一本触れていなかった。事を始めた人は他の新しい事業の再出発のため三十年前に去っていた。半世紀以上にわたって続けられているその事業は彼の決断だったわけではなかった。彼は業績を内外に印象づけたかったのかもしれない。事実でないのに事実として発表したなら、全然嘘を投稿したことになる

▼「変容」症状は偽物の記憶を思い出す回数が増えるほど、記憶の鮮明度の指標が向上するという研究結果をスタンフォード大学で博士号を取得したロフタス博士が実験結果を発表した

▼人の記憶ほど不確かなものはないとはおそろしい。T氏の思い込みだとしても、神は行ったことすべて事実を記録してるという。心はよろずの物より偽るとエレミヤ書にある。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。