10月に入り朝夕が涼しくなり始めたころ、熱い火の手があがった。ハマスがイスラエルに数千発の砲撃を放ち戦争に突入した。何千もの人が死んだ。露とウクライナの戦いは止みそうにない

▼イエスに世の終わりの前兆のしるしを尋ねた弟子への返答がよぎる。戦争のうわさを聞く。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々でききんと地震が起こる、平和だ安全だと言っていると突然禍が襲う、と

▼「プロフェッショナルの条件」で日本画に憧憬深いアメリカのP・ドラッガー教授は言う。「正しい決定には適切な意見の不一致が必要だ。組織の囚人になることを防ぐから。事実に裏付けられた反対意見であるべきだ」と

▼ハマスに反対意見はあったのであろうか。ハマスだけではなくキリスト教会の運営に適用されているならば、カルト的かつセクト的トップダウンの決断が横行する危険性は避けられよう

▼Ⅾ教授はつづける。反対意見は想像力を与える。決定が最初から間違っていることもあれば、状況の変化で間違いになることもある。決定のプロセスにおいて、他の選択肢がなければ、決定が有効に働かないとき、途方にくれるだけだ、と。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。