今年は卯年。これはウサギでないらしい。干支(えと)は、幹支(もとすえ)の意である。干支で子丑寅卯の卯。この十二支は本来「十干十二支」(じっかんじゅうにし)の略で、十干とは甲乙丙丁で上下を表すが最後が癸(みずのと)。十二支との組み合わせで今年は癸卯(みずのとう)の年。六十年毎にやってくる

▼一回りしてもまだ生きているから祝うので還暦である。私は一回り昔に通過した

▼日本では十二支が鼠牛虎兎と配当されて兎となった。十干の十番目にあたる癸と、十二支の四番目にあたる卯の年で、卯はウサギではなく、「若葉が茂ってきた状態」という意味での「茂」に由来する。また卯は露、霧など静かで温かい大地を潤す恵みの水を表わす。「癸卯」の年は、一区切りが終わり新しい事が始まり茂るのである

▼「登茂山」という地名がある。伊勢志摩の英虞湾に突き出た半島の先端の山の名である。その山は岩盤であって地震におびえることなく、堅く立つと地元の人は自らを奮う。泉のほとりの枝に実を茂らせ垣根を越える。古代この地に上陸した人のことを津波(つわ)と呼んだ。兵(つわもの)の語源だそうだ。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。