タラップを降りて地面に足をつけると飛行機は真上にあった。あぁ、無事に地面に着いたという実感がする。一昔前からはあの四角い箱、ボーディングブリッジ(搭乗橋)の通路を通って入国審査場に着く。一世代も二世代も昔なら、タラップを体験した私の感覚では何か味気なく、地面のありがたさが伝わらない。雨の日や高齢者には不便を感じるだろうが、命を預ける機体が無事着いてくれた感触が地面から伝わる。

▼40年前、アメリカのペンサコーラ空港以来、その感触から遠のいている。何度か機上の人となったが、次回はアメリカの大統領のように、タラップを降りてみたい。命を預けた機体を仰ぎ見るとき畏敬の念さえ覚えたものだった

▼親友のニュージーランド人、聖書教師から毎週のようにメールがとどく。彼の別荘からみ見る、南太平洋からのサンライズは絶品。彼のメールの添付フィアルにある写真のそばにメモがある。「マンガワイ(彼の別荘地)は君を待っている、と

▼12年前、女満別空港に降り立った直後、北見までの車中でホワイトアウトに遭遇、命を落としかけた。無事脱出できたがその夕刻八名の人がなくなったと新聞記事。余命短い命を守られ無事日々送れる恩恵に畏敬の念を覚える昨今。

 

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。