明治・大正・昭和と活躍した日本の思想家であり聖書研究家であった内村鑑三の時代は 日本の鎖国を解いてからわずか五〇年、世界から注目を集めていた。彼は聖書信仰を日本に定着させるために、全精力を費やした人であろう。彼の二つJは有名で得ある。JesusとJapanである

▼日本の国の文学や宗教の中に福音の真理とよく似た事例を必ず見つけ出してほしい、それらを見出さないなら、福音は決して受け入れられないだろう、と言った。さらに武士道と仏教の中にはキリスト教に極めて近い考えがたくさんある、とも言ってそれらを用いて伝道に励んだ

▼今時代は昭和から百年、平成、令和は矢のように駆けている。この変化はAIの登場で思想を惑わし人知を越え、もう人の手に負えなくなりつつある。大衆は清濁併せた情報を大口開けて飲み込む。人権も常識もあったものではない。不法が国の法として制定され、厚顔はばかりない

▼希望がある。人を新創造する福音があると内村は言う。イエスの時代からこの二千年、罪人を聖人に、荒くれ男を聖徒に、目の見えない人が見えるようになった人たちによって、時代を越えて生きてきた人たちがいた。非常に少数だったが・・・。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。