サクラ散る。バラは残ってしがみつく。「武士の一言」 彼には二言はなかった。 農工商を支えるために、守るため、導くためのノブレスオブレージの見本は山形藩主、上杉鷹山。明治維新の西郷隆盛、勝海舟、改革を断行した武士の気質は今の日本では化石になってしまったか。言ったことばをひるがえすなど、命をかけてもしなかった。刀にかけて…刀がないと私たちは言う。サクラは淡い香りが春を呼ぶ。バラのあでやかさにはとげがある▶敷島の 大和心を人とわば 朝日ににほふ 山桜花、と本居宣長は、人知れず咲く山桜の淡い花びらに 思いをよせて日本のどこかにひっそりと香る侍がいることを願ったのだろう。その香りが今の世に漂いながれているのだろうか。日本よ、おまえはどこに行くのか▶かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂を胸に抱き、サクラのごとく、自然に身を任せて命を捨てる不死鳥武士が飛び立つ夢を見て、吉田松陰の日本人魂を読もう。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。