本地垂迹説とはインドの仏様と日本伝統の神が融和し、争いなしの状態を述べたものだそうだ。行基、伝教大師、弘法大師、空海などが説いた説だそうだ。発展して神仏習合になった▶日本には宗教戦争はない。政治勢力の信長と比叡山僧兵。徳川場幕府と島原の乱は権力と宗教との対立であって宗教と宗教の争いではなかった。白黒をつけるというのは、白の神道、黒の仏教の争いからきたものであるが、それとて純粋な宗教理念の対立である十字軍とイスラムの戦いのそれではない。平家と源氏、徳川幕府と明治新政府の戦いを宗教戦争という人はいない▶だが、この60数年アメリカによる西洋神学によるプロテスタント世界の日本宣教が、その根っこのところが宗教戦争の体をもつ。その戦況(PCの打ち損ないではない)はこうだ。仏様を偶像ときめつけ、神道は日本に巣くっている悪霊であって、真の神信仰ではない、故に排除すべきとする二極化対立をけしかけているのは宗教戦争の体(てい)と言える。日本人は融合を体得している世界に類がない民族。和をもって尊しである。宗教、宗派の争いなしは、日本の底力なりと見た。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。