東電の福島第一原発現場から全員がいなくなったら、メルトダウンするのは1号から4号だけじゃあありません。5号も6号も冷却できなくなる。各号機のプールもみんなダメになる。この状況で全員退避となると、1号機から6号機まで全部つぶれる。そうなれば東京都民も場合によっては逃げなければならなくなる。海江田氏は背筋が凍る思いがした、という▶人が造った原発。その事故が津波で誘発されたとはいえ、人が住めなくなる事態に陥った現場で事故終息のため力を尽くした政治家たちは今、日本を引っ張る立場にない。現場の「火の粉処理」任務者でなかった者たちは、今その火の元を再稼働しようとしている。事故処理恐怖の毒を飲んだ者は、同じ毒をコップに入れる危険を犯せない。毒を飲まされ、快復した者は二度と毒を口にはできない▶そして2年が経った。3月11日がやってきた。経済再生、景気回復のかけ声と円安、株高の音頭にかまけて、毒の調整をして毒の排除はしないのが現内閣なのか。国民は同じ恐怖の毒を口にするバカ者の集まりであってはならない▶今年、契約の箱ではないが、恐ろしい“箱もの”が2年たって神を慕い求める箱もの遷宮の年となる、とは空望みか。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。