相手に一本取られたら、コン畜生、惜しい、と思うな。自分に隙があったから打たれた。自分の弱点を教えてくれたのだから、相手に「ありがとう」と言えと父が本当の剣道を教えてくれたと笹森氏が書いている。彼は、一刀流の剣術師でもあり牧師でもある。弱点を指摘されて喜び、戦いに負けて「ありがとう」と言える秘訣があると言ったのはイエスだ。「一粒の麦が落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。」▶復活祭が今年は3月31日だった。自分に死んでこそ、よみがえりがある。新しい出発ができるのは死んで葬られ3日目によみがえられた方を信じるからだ▶どこを診てもらっても悪いところがないのに、胃が痛み、体の調子が悪いと悩んでいる人から相談された▶右か左か迷って疑いつつ物事を決める悪い癖があり、それで自分を責めるのでは?と尋ねると「そのとおりです」とうなずいた。信じることができないで疑うのは人の常。霊的弱点、自己防衛、優柔不断、自己中心は、自分に死なないので一粒のままの人生である。自分に死んで生きるときの「ありがとう」こそ本物ではないか。
著者紹介

- 聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。
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