8月20日、志摩市役所に用事があって立ち寄った。知覧特攻平和会館所蔵の特攻隊員の写真や遺書パネルがあった。隊員32人の顔写真や戦死した日にちとともに、遺書や出撃に際して残した句がロビーに展示。母親に宛てて「よくやった仏前に団子でもそなえてくだい」、婚約者に「会いたい、話したい、無性に」と思いをこめた手紙、3歳と5歳の子どもが読めるようにカタカナで「お母さんの言いつけをよく守り、心配かけないように」としたためた文面が胸を打つ▶同じ日、広島で集中豪雨が山の土砂をくずし、家々が崩壊。40数名の命を一瞬にして奪った。人は理不尽、不公平、不条理と神に叫ぶ。責任を人や組織、個人や社会そして国に訴える▶クリスチャンジャーナリスト、F・ヤンシーは不幸のどん底にいるD氏にインタビューした。物理的現実と霊的現実を混同するなと不公平さへの返答をもらっている。神の公正さを証明できはしないかもしれない。人生は不公平である。その極めつけは神の恵みによってのみ人は救われるという福音だと不可知論者は言う。不公平の典型だと。そのギャップを埋めるのがただひとり、神ご自身であるイエスの十字架の磔。その真意をもっと知ろう。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。