預言を成就するために働く人、預言を阻止するために働く人がいる。この世は時の流れに沿って進む。すべての営みに時があるとコヘレト（伝道者）は言った。この事実を観察する人が諸々の解説をするので、まことにこの世は複雑怪奇となる

▼預言を意識的に行動に移す人と無意識に行う人がいる。聖書には多くの預言が書かれている。予言は未来の出来事を語るが預言は預かった言葉と書く。聖書は預言で満ちている。旧約聖書「私たちの背きの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた」（イザヤ53：5）は、六百年後「兵士のうちのひとりがイエスのわき腹を槍で突き刺した」と新約の福音書は記して成就した。

▼イエスはご自分がエルサレムに行って、殺されることを弟子たちに話されていた。意識的に行動した人であったが、ローマの兵士は何もわからないでイエスの処刑をやった。聖書の預言をまったく知らないでいる人たちだった。

▼人生はキリストの側にいる人、すなわち自分が何をしているのかが分かっている人と自分で何をしているのかわからないでいる人の両者、二通りの人だけで世界は動くようだ。　後者は言うのだろうか。日の下で、どんなに苦労しても、それが人に何の益になろう、と。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。