3年ぶりに海外に出かけることができたが、一年に一度は日本を脱出したいもの。というのはマンネリからの心機一転と新しい発想や活動への勢いのため。だがそんな結構な身分ではない人も多い▶が私はそのときニュージーランドの北島オークランドの北マタカナのレストランでヤクスレー夫妻と昼食中だった。その時南島の最大の都市クライストチャーチにM6.3の大地震が襲った。大聖堂の塔も崩壊、その下に旅行者数十名の死傷者が埋もれ犠牲となった▶3年前2月に10名ほどの友人と訪れた時、国の精神的シンボルタワーに登った仲間はその悲劇を身近に感じたにちがいない。私と家内がNZにいることを知る人たちから、電話やメールがとびこんだ。心配しているとの声と祈りがありがたかった。海辺で泳いでいると少女たちが近寄ってきて日本の救助隊に感謝していると声をかけられた。日本ここにあり、である▶思いやりこそ人と人を結ぶ帯。帰国し最初の日曜日、近所の人が訪ね出来て「無事だったのね!」。地震は、人の心を震わせて神に近か寄せるものなのかもしれない。

著者紹介

畠田 秀生
畠田 秀生
聖書と日本フォーラム会長。聖書日本キリスト教会・登茂山の家の教会牧師。三重県志摩市在住。